マドレー判別関数とは?
マドレー判別関数(Maddrey's Discriminant Function:mDF)は、判別関数またはDFとも呼ばれ、アルコール性肝炎の重症度と短期予後を評価するために用いられる臨床スコアです。1978年にMaddreyらによって初めて報告され、その後修正が加えられました。患者のプロトロンビン時間(検査室のコントロール値との差)と血清総ビリルビン値を組み合わせ、1つの数値として算出します。DFスコアが32以上の場合は重症と判定され、30日以内の死亡リスクが高く、ステロイドやペントキシフィリンによる治療の適応となる可能性があります。
この計算ツールの使い方
患者のプロトロンビン時間(PT)を秒単位で、検査室のコントロールPTを秒単位で、総ビリルビン値をmg/dLで入力してください。入力するとDFスコアが即座に表示され、重症の基準値に達しているかどうかが判定されます。PTとコントロールPTは必ず同じ測定系(アッセイ)の値を用いてください。そうしないと差の意味が正しく反映されません。
計算式の解説
計算式は $$\text{DF} = 4.6 \times \left( \text{患者PT} - \text{コントロールPT} \right) + \text{総ビリルビン値}$$ です。プロトロンビン時間の差は肝臓の合成能(凝固機能)を、ビリルビン値は排泄機能を反映します。定数の \(4.6\) は凝固系の要素に重み付けをするための係数です。ビリルビン値はmg/dLで表します。検査結果がµmol/L表記の場合は、\(17.1\)で割ってmg/dLに換算してください。
計算例
ある患者のPTが20秒、コントロールPTが12秒、総ビリルビン値が15 mg/dLの場合を考えます。$$\text{DF} = 4.6 \times \left( 20 - 12 \right) + 15 = 4.6 \times 8 + 15 = 36.8 + 15 = 51.8$$ となります。\(51.8 \geq 32\) であるため、重症のアルコール性肝炎と判定されます。
よくある質問
DF値がいくつ以上で重症と判断されますか? スコアが32以上の場合、予後不良な重症アルコール性肝炎と判断されます。
ビリルビンの単位はどれを使えばよいですか? mg/dLを使用してください。µmol/Lの場合は17.1で割ってmg/dLに換算します。
DFは現在も使われていますか? はい。MELDスコアやGlasgowアルコール性肝炎スコア(GAHS)などの新しいスコアも併用されますが、mDFは治療方針の判断において今なお広く引用される基準です。なお、本ツールは教育目的のものであり、臨床的判断に代わるものではありません。