ロジスティック分布とは
ロジスティック分布は、正規分布によく似た釣鐘型をしていますが、すそ野(裾)がより厚いことが特徴の連続確率分布です。位置パラメータ \(\mu\)(平均)と、正の値をとる尺度パラメータ \(s\) によって定義されます。その累積分布関数がよく知られたロジスティック・シグモイド関数になるため、統計学はもちろん、機械学習(ロジスティック回帰)や成長モデルなど、幅広い分野で登場します。本計算機は純粋な数学計算であり、国や地域を問わず同じ結果が得られます。
使い方
分布を評価したい値 \(x\)、位置パラメータ \(\mu\)(平均であり、左右対称の中心でもあります)、そして必ず正の値をとる尺度パラメータ \(s\) を入力してください。計算機は次の3つの値を返します。確率密度 \(f(x)\)、下側累積確率 \(P(X \le x)\)、上側累積確率 \(P(X > x)\) です。2つの累積確率の合計は常に 1 になります。
計算式の解説
まず標準化した値 \(z = (x - \mu) / s\) を求めます。下側累積分布関数(CDF)は $$ F(x) = \frac{1}{1 + e^{-z}} $$ です。確率密度は $$ f(x) = \frac{e^{-z}}{s\left(1 + e^{-z}\right)^{2}} $$ で、これは \(F(x)(1 - F(x)) / s\) に等しくなります。上側確率(生存確率)は \(S(x) = 1 - F(x)\) です。\(|z|\) が大きい場合でも数値的に安定させるため、\(z\) が正のときと負のときでシグモイドの計算方法を変え、\(\exp()\) がオーバーフローしないように工夫しています。
計算例
\(x = 2\)、\(\mu = 1\)、\(s = 2\) の場合を考えます。このとき $$ z = \frac{2 - 1}{2} = 0.5, \quad e^{-0.5} = 0.606531 $$ となります。下側 CDF は $$ F = \frac{1}{1 + 0.606531} = 0.622459 $$ 上側 CDF は $$ 1 - 0.622459 = 0.377541 $$ です。確率密度は $$ f = \frac{0.622459 \times 0.377541}{2} = 0.117493 $$ となります。
よくある質問(FAQ)
尺度パラメータはどのような役割を持ちますか? \(s\) が大きいほど分布は横に広がり、ピークは低くなります。逆に \(s\) が小さいほど鋭く尖った形になります。\(x = \mu\) におけるピークの密度は \(1/(4s)\) になります。
\(\mu\) や \(x\) は負の値でもよいですか? はい。\(x\) と \(\mu\) はどちらも任意の実数をとれます。正でなければならないのは \(s\) だけです。
標準ロジスティック分布との関係は? \(\mu = 0\)、\(s = 1\) とすると標準ロジスティック分布になります。このとき \(x = 0\) における密度は 0.25、上側・下側の累積確率はともに 0.5 です。