この計算ツールでできること
このツールは、スチューデントのt分布におけるパーセント点(分位点・臨界値・累積分布関数の逆関数とも呼ばれます)を求めます。累積確率Pと自由度νを与えると、t分布の確率密度をtまで積分した面積が指定の確率に等しくなるようなtの値を返します。これはt分布の累積分布関数(CDF)の逆関数にあたり、表計算ソフトのt.inv関数に相当します。t分布は普遍的な数学であり、国や地域を問わず同じ結果が得られます。
使い方
累積確率P(0より大きく1より小さい値)を入力し、Pが下側確率(tの左側の面積)か上側確率(tの右側の面積)かを選びます。続いて自由度を入力してください。内部処理では常に下側確率に変換して計算します。下側の場合はPをそのまま、上側の場合は1 − Pを用い、そこからtを求めます。
$$t = F^{-1}\!\left(\text{P};\ \nu\right)$$下側確率の場合:
$$F(t) = \text{P} \quad\Longrightarrow\quad t = F^{-1}\!\left(\text{P}\right)$$$$\text{where}\quad F(t)=1-\tfrac{1}{2}\,I_{x}\!\left(\tfrac{\nu}{2},\tfrac{1}{2}\right),\quad x=\frac{\nu}{\nu+t^{2}},\quad \nu=\text{df}$$上側確率の場合:
$$F(t) = 1-\text{P} \quad\Longrightarrow\quad t = F^{-1}\!\left(1-\text{P}\right)$$$$\text{where}\quad F(t)=1-\tfrac{1}{2}\,I_{x}\!\left(\tfrac{\nu}{2},\tfrac{1}{2}\right),\quad x=\frac{\nu}{\nu+t^{2}},\quad \nu=\text{df}$$計算式の解説
自由度νのスチューデントのt分布のCDFは、正則化された不完全ベータ関数Iを用いて表されます。t ≧ 0 のとき、\(x = \nu / (\nu + t^{2})\) として \(F(t) = 1 - 0.5 \cdot I_x(\nu/2, 1/2)\) となり、t < 0 のときは対称性から \(F(t) = 0.5 \cdot I_x(\nu/2, 1/2)\) を用います。不完全ベータ関数は、ガンマ関数のランチョス近似と標準的な連分数アルゴリズムによって評価します。Fは単調増加であるため、その逆関数は安定した二分法によって求めます。
計算例
P = 0.975、下側確率、自由度 ν = 10 の場合、本ツールは \(t \approx\) 2.228139 を返します。これはt分布表でおなじみの両側95%(片側97.5%)の臨界値です。上側2.5%の面積は下側97.5%の面積と等しいため、P = 0.025 を上側確率として入力しても同じ結果が得られます。
よくある質問
P = 0 や P = 1 を入力するとどうなりますか? パーセント点は定義されず、マイナス無限大またはプラス無限大に発散するため、エラーとして表示されます。
自由度を非常に大きくするとどうなりますか? t分布は標準正規分布に近づくため、νが大きいほど分位点は正規分布の分位点に近づきます(例:P = 0.975 では約1.95996)。
自由度νは整数でなくてもよいですか? はい。\(\nu > 0\) であれば小数を含む任意の正の値を受け付けます。