この計算ツールでできること
このツールは、任意の自由度 \(\nu > 0\) におけるスチューデントのt分布を計算し、グラフに描画します。求める量は、確率密度 \(f(x,\nu)\)、下側累積確率 \(P(x,\nu)\)(CDF)、上側累積確率 \(Q(x,\nu) = 1 - P\) の3種類から選べます。指定した範囲で (x, 値) の組み合わせを表として作成し、その値をもとに折れ線グラフを表示します。
使い方
まず計算する関数(確率密度・下側累積・上側累積)を選びます。次に自由度 \(\nu\) を入力し、xの初期値、刻み幅(隣り合う点の間隔)、繰り返し回数(生成する点の数)を設定します。各点は \(x_k = \text{初期}x + k\cdot\text{刻み}x\)(\(k = 0\)〜繰り返し回数\(-1\))で計算されます。初期設定(初期値 \(-5\)、刻み 0.1、点数 101)では、xは \(-5\) から \(+5\) まで変化します。
計算式の解説
確率密度は
$$f(x,\nu) = \frac{\Gamma\!\left(\frac{\nu+1}{2}\right)}{\sqrt{\nu\pi}\,\Gamma\!\left(\frac{\nu}{2}\right)}\left(1+\frac{x^{2}}{\nu}\right)^{-\frac{\nu+1}{2}}$$で表されます。自由度 \(\nu\) が大きい場合でも数値的に安定して計算できるよう、ガンマ関数の項は対数ガンマ関数を用いて評価しています。累積確率には、\(z = \nu/(\nu+x^{2})\) としたときの正則化不完全ベータ関数 \(I_z(\nu/2, 1/2)\) を使います。\(x \ge 0\) のとき \(P = 1 - \tfrac{1}{2}I_z\)、\(x < 0\) のとき \(P = \tfrac{1}{2}I_z\) となります。対称性により \(P(0,\nu) = 0.5\) です。
計算例
自由度 \(\nu = 2\)、\(x = 0\) における確率密度を求めると、\((1 + 0/2)^{-1.5} = 1\)、\(B(1/2, 1) = 2\) なので、$$f(0,2) = \frac{1}{\sqrt{2} \cdot 2} = 0.353553$$となります。同じく \(\nu = 2\)、\(x = 0\) の下側累積確率は、分布が対称であることから \(P(0,2) = 0.5\)、\(Q(0,2) = 0.5\) です。
よくある質問
自由度 \(\nu\) が大きくなるとどうなりますか? t分布は標準正規分布 \(N(0,1)\) に近づきます。たとえば \(f(0,\nu)\) は \(1/\sqrt{2\pi} \approx 0.39894\) に収束します。
刻み幅にマイナスの値を指定できますか? はい。負の刻みを指定すると x は減少していきます。刻みを 0 にすると同じ x が繰り返されます。
なぜ \(\nu\) は正の値に限られるのですか? \(\sqrt{\nu}\) や \(\Gamma(\nu/2)\) の項は \(\nu > 0\) でなければ計算できないためです。0 以下の値ではこの分布は定義されません。