コーシー分布とは
コーシー分布(ローレンツ分布とも呼ばれます)は、位置母数a(中央値かつピークの位置)と、尺度母数b(> 0、半値半幅)によって定義される連続型の確率分布です。裾が非常に重い分布として知られ、平均も分散も有限の値を持ちません。この計算では、連続するx値について分布を評価し、(x, 値) の組からなるグラフ描画用の数表を作成できます。
計算の使い方
まず関数を選びます。確率密度f、下側累積確率P、上側累積確率Qのいずれかです。次に位置母数aと尺度母数b(正の値)を入力します。続いて、xの初期値・増分(ステップ)・点数を指定してxの数列を定義します。k番目のxは x_k = xInitial + k * xStep(k = 0 から count-1 まで)で求めます。初期設定では、x = -5 から +5 まで0.1刻み(101点)で計算します。
計算式
\(z = (x - a) / b\) とおきます。確率密度は $$f = \frac{1}{\pi} \cdot \frac{b}{(x-a)^2 + b^2} = \frac{1}{\pi b (1 + z^2)}$$ です。下側累積分布は $$P = \frac{1}{2} + \frac{1}{\pi}\arctan(z)$$ 上側(生存)関数は $$Q = 1 - P = \frac{1}{2} - \frac{1}{\pi}\arctan(z)$$ となります。arctan は \((-\pi/2, \pi/2)\) の範囲に収まるため、PもQも常に0より大きく1より小さい値をとります。
計算例
\(a = 0\)、\(b = 0.7\) のとき、\(x = 1\) における確率密度を求めます。\((x-a)^2 + b^2 = 1 + 0.49 = 1.49\) なので、$$f = \frac{1}{\pi}\left(\frac{0.7}{1.49}\right) \approx 0.14954$$ です。同じ点での下側累積確率は、\(\arctan(1/0.7) = 0.96007\) より \(P = 0.5 + 0.96007/\pi \approx 0.80559\)、\(Q = 1 - 0.80559 = 0.19441\) となります。ピークである \(x = a\) では \(f = 1/(\pi b)\)、\(P = Q = 0.5\) です。
よくある質問
なぜbは正の値でなければならないのですか? bが0以下だと、幅が0または負になってしまい、確率密度も累積分布も定義できなくなります。そのため、この計算ではbを微小な正の値に補正します。
なぜ平均が表示されないのですか? コーシー分布は裾が重いため、平均も分散も定義されません。この計算では、各点での確率密度と裾確率のみを算出します。
「値」の列は何を表しますか? 選んだ関数(f、P、Q)を各xで評価した結果です。横軸にxをとってそのままグラフ化できます。