この計算ツールでできること
このツールは、ローレンツ分布とも呼ばれるコーシー分布のパーセント点(分位点・百分位点)を求めます。累積確率と、分布を決める2つの母数 — 位置母数x0(中央値かつピーク位置)と尺度母数γ(ガンマ、半値半幅)— を入力すると、その確率に達する値xを返します。純粋な数学であり、地域を問わず同じ結果になります。
使い方
まず累積モードを選びます。確率Pが左側(下側)確率 \( P = \text{Prob}(X \le x) \) のときは下側を、確率Qが右側(上側)確率 \( Q = \text{Prob}(X \ge x) \) のときは上側を選択してください。次に、0より大きく1より小さい範囲で確率を入力し(例えば95パーセント点なら0.95)、位置母数x0と尺度母数\(\gamma\)(正の値であること)を入力します。すると対応するxが表示されます。
計算式の解説
コーシー分布の累積分布関数は $$F(x) = \frac{1}{2} + \frac{1}{\pi}\cdot\arctan\!\left(\frac{x - x_0}{\gamma}\right)$$ です。これを逆に解くと、分位点関数 $$x = x_0 + \gamma\cdot\tan\!\left(\pi\cdot\left(P - \tfrac{1}{2}\right)\right)$$ が得られます(Pは下側累積確率)。上側確率Qを入力した場合は、まず \( P = 1 - Q \) に変換します。\( P = 0.5 \) のとき結果はちょうどx0となり、Pが0または1に近づくにつれて結果はマイナス無限大・プラス無限大へ発散します。これはコーシー分布の有名な「すそが重い(裾が厚い)」性質を反映したもので、この分布には有限の平均も分散も存在しません。
計算例
x0 = 0、\(\gamma\) = 1 で下側95パーセント点を求める場合:P = 0.95 なので、$$x = 0 + 1\cdot\tan(\pi\cdot 0.45) = \tan(1.41372\ \text{rad}) \approx \mathbf{6.31375}$$ 検算すると \( F(6.31375) = 0.5 + \frac{1}{\pi}\cdot\arctan(6.31375) = 0.5 + 0.45 = 0.95 \) となります。x0 = 2、\(\gamma\) = 3、P = 0.75 の場合:$$x = 2 + 3\cdot\tan(\pi\cdot 0.25) = 2 + 3\cdot 1 = 5.0$$ です。
よくある質問
下側モードと上側モードの違いは? 両者は補い合う関係です。上側確率0.05は、下側確率0.95と同じxを与えます。
なぜ確率は0より大きく1より小さくないといけないの? ちょうど0または1のとき分位点はマイナス無限大・プラス無限大となり、有限の数値が存在しないためです。
尺度母数を負にできる? できません。尺度母数\(\gamma\)は0より大きい必要があります。これは半値半幅を表すもので、負の値は定義されません。