この計算ツールでできること
このツールは、通常のポアソン分布確率計算とは逆向きの計算を行います。平均λがわかっている状態から確率を求めるのではなく、累積確率と分位点xがわかっている状態から、その値を生み出すポアソン分布の平均λを逆算します。目標とするサービスレベル(ある確率)が決まっていて、その裏にある期待発生件数を知りたいとき——たとえばキャパシティ計画、信頼性評価、待ち行列の解析などで役立ちます。
使い方
まず累積モードを選びます。下側累積Pは、入力する確率が\(P(X \le x)\)、つまり「事象がx回以下」となる確率を表します。上側累積Qは、\(Q(X \ge x)\)、つまり「事象がx回以上」となる確率を表します。続いて累積確率(0より大きく1より小さい値)と、0以上の整数である件数xを入力すると、平均λが求まります。
計算式の解説
ポアソン分布の確率質量関数は \(f(t, \lambda) = e^{-\lambda} \lambda^{t} / t!\) です。下側累積はt = 0からxまでの和で、λが大きくなるほど減少します。上側累積 $$Q(x, \lambda) = 1 - P(x-1, \lambda)$$ は、\(x \ge 1\) のときλとともに増加します。いずれの累積もλについて単調に変化するため、解は一意に定まります。本ツールでは、安定した反復的な項の掛け算(階乗のオーバーフローを起こさない方法)で各項を評価し、堅牢な二分法によってこの解を求めています。
計算例
下側モードで P = 0.6、x = 5 とします。最初の6項(t = 0〜5)のポアソン項の和が0.6に等しくなるλを求めます。\(\lambda = 5.0\) では \(P \approx 0.616\)(高すぎ)、\(\lambda = 5.1\) では約0.597、\(\lambda = 5.08\) では約0.600 となります。したがって λ は約5.083、つまり期待発生件数は約5.083回となります。
よくある質問
なぜ確率は0より大きく1より小さくなければならないのですか? 確率がちょうど0または1になると、λが境界値(0または無限大)に押しやられ、有限で一意な平均が存在しなくなるためです。
上側モードでx = 0のときはどうなりますか? \(Q(0, \lambda)\) はどんなλでも常に1になるため、平均は定まりません。この特殊なケースでは、ツールは0を返します。
xは必ず整数でなければなりませんか? はい。標準的なポアソン分布の解釈では、xは0以上の整数の件数です。整数でない値は小数点以下が切り捨てられます。