1RM計算ツールとは
1RM計算ツールは、複数回反復できる重量をもとに「1回だけ挙げられる最大重量(1レップマックス=1RM)」を推定するツールです。本来1RMを測定するには、限界に近い重量を一発で挙げるテストが必要ですが、これはケガのリスクを伴います。本ツールを使えば、危険な高重量チャレンジをせずに、最大挙上能力の目安を知ることができます。ウエイトトレーニングに取り組む方やアスリートに広く活用されています。
こんなときに役立ちます
- 最大挙上重量に対する割合(%)で負荷を設定する筋力トレーニングプログラムを組むとき
- 本当の1RMを毎回測定せずに、長期的な筋力の伸びを記録・把握したいとき
- リハビリ中や安全面の配慮から、実際の最大挙上テストを行うのが望ましくないとき
1RMの計算方法
1RM(最大挙上重量)を推定する計算式はいくつかあります。代表的なものは次の3つです。
ブルジツキ(Brzycki)の式
1RM = 重量 ×(36 ÷(37 − レップ数))
エプリー(Epley)の式
1RM = 重量 ×(1 + 0.0333 × レップ数)
ランダー(Lander)の式
1RM =(100 × 重量)÷(101.3 − 2.67123 × レップ数)
各項目の意味は次のとおりです。
- 「重量」:そのセットで挙げた重量
- 「レップ数」:その重量で完遂した反復回数
※重量の単位は lbs(ポンド)でも kg(キログラム)でも同じ式で計算できます。本記事の例では海外で一般的な lbs(ポンド)を使用しています。
計算例
例1:ベンチプレスの1RM
200 lbs を6回挙げられる場合の、ベンチプレスの推定1RMを計算します。
| 計算式 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| Brzycki | 200 ×(36 ÷(37 − 6)) | 232.26 lbs |
| Epley | 200 ×(1 + 0.0333 × 6) | 239.96 lbs |
| Lander | (100 × 200) ÷(101.3 − 2.67123 × 6) | 236.15 lbs |
例2:スクワットの1RM
300 lbs を3回挙げられる場合の、スクワットの推定1RMを計算します。
| 計算式 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| Brzycki | 300 ×(36 ÷(37 − 3)) | 323.53 lbs |
| Epley | 300 ×(1 + 0.0333 × 3) | 329.97 lbs |
| Lander | (100 × 300) ÷(101.3 − 2.67123 × 3) | 323.56 lbs |
推定精度についての注意点
1RMの推定値は、次の条件がそろうほど精度が高くなります。
- 反復回数が10回以下であること
- スクワット・ベンチプレス・デッドリフトなど、複数の関節・筋群を使う複合種目(コンパウンド種目)であること
- セットを通じて正しいフォームを維持できていること
計算式によって推定値は多少異なります。より信頼できる目安を得たい場合は、複数の式で算出した結果の平均値を参考にするとよいでしょう。
トレーニングへの活用
| トレーニングの目的 | 1RMに対する割合 | レップ数の目安 |
|---|---|---|
| 筋力アップ(ストレングス) | 85〜95% | 1〜5回 |
| パワー | 75〜85% | 3〜8回 |
| 筋肥大(ハイパートロフィー) | 67〜75% | 8〜12回 |
| 筋持久力 | 50〜67% | 12〜20回 |
重要用語の説明
- 1回最大挙上重量(1RM)
- 正しいフォームで1回の完全な反復を挙上できる最大の重量です。最大筋力の標準的なベンチマークであり、トレーニングパーセンテージを計算するための基準点となります。
- 反復最大挙上重量(RM)
- 指定された回数で挙上できる最大の重量です。例えば「5RM」は失敗する前にちょうど5回できる最も重いロードです。1RMは単に1回反復の場合であり、準最大RMs(3RM、5RM、10RM)は真の最大値をテストしなくても1RMを推定するために一般的に使用されます。
- 複合運動
- 複数の関節での動きを含み、複数の筋肉群を一度に動員する運動です。スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、オーバーヘッドプレスなどが該当します。複合リフトはより重いロード設定を可能にし、1RMをテストする典型的な運動です。
- 単関節運動
- 単一の関節での動きを含み、主に1つの筋肉群を対象とする運動です。バイセップスカール、レッグエクステンション、サイドレイズなどが該当します。これらは通常、軽いロード設定でより多くの反復回数でトレーニングされ、真の1RMでテストされることはありません。
- 筋肥大
- トレーニングによる筋肉サイズの増加です。筋肥大重視プログラムは通常、1RMの約67~80%の中程度ロード設定で、セットあたり6~12回の反復を、中程度の休息を取りながら行います。
- 最大筋力ゾーン
- 最も重いロード設定範囲でのトレーニングで、1RMの約85~100%で1~6回の反復を行い、最大筋力の生産と神経筋適応を強調し、長い休息期間を取ります。
- パワーゾーン
- 素早く筋力を発揮することに重点を置いたトレーニングです。爆発的なリフトでは中程度のロード設定(1RMの約30~60%、または「筋力スピード」範囲ではより高い)を使用し、最大の意図とスピードで動かし、低い反復回数でセット間に十分な回復を取ります。
- 筋持久力ゾーン
- 軽いロード設定(1RMの約50~65%以下)で、高い反復回数(15回以上)と短い休息で行うトレーニングで、筋肉が反復的な収縮を持続する能力を高めます。