中心極限定理とは?
中心極限定理(CLT)は統計学の根幹をなす定理です。平均μ・標準偏差σを持つ任意の母集団から、サイズ n の無作為標本を繰り返し抽出すると、n が大きくなるにつれて標本平均の分布はもとの母集団の形に関係なく正規分布に近づいていく、という性質を表します。この計算ツールでは、その標本分布を特徴づける2つの重要な値、すなわち「平均」と「標準誤差」を求めることができます。
使い方
母平均(μ)、母標準偏差(σ)、そして標本サイズ(n)を入力してください。ツールは標本分布の平均(これは母平均μに一致します)、標本平均の標準誤差(SE)、そして標本平均の分散(σ²/n)を返します。経験則として、\(n \geq 30\) であれば正規近似が十分に信頼できるとされています。
計算式の解説
中心極限定理は、標本平均の標本分布について2つのことを教えてくれます。1つ目は、その中心が母集団と同じである点です:$$\mu_{\bar{x}} = \mu$$2つ目は、標本が大きくなるほどばらつきが小さくなる点です:$$SE = \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$$\(\sqrt{n}\) で割ることで変動が抑えられるため、標本サイズが大きいほど真の平均をより精度よく推定できます。標本平均の分散は標準誤差を2乗したもの、つまり \(\sigma^{2}/n\) です。
計算例
母集団が \(\mu = 100\)、\(\sigma = 15\) を持ち、標本サイズ \(n = 36\) で抽出するとします。このとき \(\mu_{\bar{x}} = 100\) となり、$$SE = \frac{15}{\sqrt{36}} = \frac{15}{6} = 2.5$$です。標本平均の分散は $$\frac{15^{2}}{36} = \frac{225}{36} = 6.25$$となります。つまり標本平均は、標準誤差わずか 2.5 で 100 のまわりに密集することがわかります。
よくある質問
母集団は正規分布でなければならないの? いいえ。そこが中心極限定理の強みです。n が十分に大きければ、母集団が偏った(歪んだ)分布であっても、標本平均の標本分布はほぼ正規分布になります。
「十分に大きい」標本サイズとは? 一般的な目安は \(n \geq 30\) ですが、大きく歪んだ母集団ではさらに多くの標本が必要になる場合があります。
なぜ標本が大きいほど標準誤差は小さくなるの? より多くの観測値を平均することでランダムなノイズが打ち消し合うため、n が増えるほど平均の推定値が安定するからです。