死荷重(デッドウェイトロス)とは?
死荷重(DWL:Deadweight Loss)とは、市場が自由競争の均衡から外れたときに失われる経済厚生の損失のことです。これは買い手と売り手の余剰(消費者余剰+生産者余剰)を合計したものが減ってしまう状態を指します。死荷重は、税金・補助金・価格下限(最低価格)・価格上限(最高価格)・数量割当(クォータ)・独占による価格設定などが原因で生じます。こうした介入によって価格が押し上げられたり(あるいは押し下げられたり)、取引される数量が減少し、本来であれば双方に利益のあった取引が成立しなくなります。この「実現しなかった取引」の価値こそが死荷重なのです。
この計算ツールの使い方
まず、介入が行われる前の均衡価格と数量(変更前の価格・数量)を入力します。次に、介入後の価格と数量(変更後の価格・数量)を入力してください。ツールが厚生損失を表す三角形の面積を自動で計算します。結果がプラスであれば、それは失われた余剰の大きさを示します。損失の規模は、価格と数量がどれだけ動いたかによって決まります。
計算式の解説
標準的な三角形近似による計算式は次のとおりです。
$$\text{DWL} = \frac{1}{2} \times \left( \text{P}_{\text{新}} - \text{P}_{\text{旧}} \right) \times \left( \text{Q}_{\text{旧}} - \text{Q}_{\text{新}} \right)$$三角形の底辺は数量の減少分(\(\text{Q}_{\text{旧}} - \text{Q}_{\text{新}}\))、高さは価格の変化(\(\text{P}_{\text{新}} - \text{P}_{\text{旧}}\)、これは1単位あたりの税額や価格のくさび=価格差に相当します)です。底辺と高さを掛け合わせて半分にすると三角形の面積が求まり、これが失われた厚生(死荷重)と等しくなります。
計算例
たとえば、ある市場で価格10ドル・数量100単位で取引されていたとします。ここに税金が課され、実効価格が12ドルに上昇し、数量が80単位に減少したとしましょう。このとき、$$\text{DWL} = \frac{1}{2} \times \left( 12\text{ドル} - 10\text{ドル} \right) \times \left( 100 - 80 \right) = \frac{1}{2} \times 2 \times 20 = 20\text{ドル}$$ となります。つまり20ドル分の総余剰が失われたことになります。これは消費者・生産者・政府のいずれもが手にすることのできない、純粋に消失した価値です。
よくある質問(FAQ)
なぜ2分の1を掛けるのですか? 失われる厚生は、需要曲線と供給曲線のグラフ上で三角形を形づくります。三角形の面積は「底辺×高さ÷2」で求められるため、2分の1を掛けるのです。
死荷重は何が原因で発生しますか? 市場を均衡から遠ざけるものすべてが原因になります。具体的には、1単位あたりの税金、補助金、拘束力のある価格規制、関税、数量割当(クォータ)、そして独占による価格上乗せなどです。
死荷重がマイナスになることはありますか? このシンプルなモデルでは、結果がマイナスになる場合、入力した数値が想定とは逆の方向になっている可能性があります(例:価格が下がったのに数量が増えた場合など)。本来の厚生損失を計算するには、変更後の価格を高く、変更後の数量を低く入力してください。