行列のスカラー倍とは?
スカラー倍は、線形代数のなかでも最も基本的な演算のひとつです。行列 A に1つの数(スカラー)c を掛けると、行列のすべての成分にその数を掛けるだけというシンプルな操作になります。結果として得られるのは、元とまったく同じサイズの新しい行列で、各成分が \(c\) 倍されたものです。この計算機は2×2行列に対応しており、学校の授業・幾何・初級代数で最もよく使われるサイズを扱えます。
この計算機の使い方
まず最初の欄にスカラー値 \(c\) を入力します。次に2×2行列 A の4つの成分、つまり上の行(a11、a12)と下の行(a21、a22)を入力してください。計算ボタンを押すと、各成分にスカラーを掛けたスケール後の行列 cA が表示されます。負の数や小数のスカラーにもしっかり対応しています。
公式の解説
このルールは $$(cA)_{ij} = c \times A_{ij}$$ とコンパクトに表せます。添字の ij は、第 i 行・第 j 列の成分を表します。したがって2×2行列の場合、結果となる4つの成分は \(c\cdot a_{11}\)、\(c\cdot a_{12}\)、\(c\cdot a_{21}\)、\(c\cdot a_{22}\) です。行や列が混ざり合うことはなく、各成分はそれぞれ独立して計算されます。
$$\text{c} \cdot \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} \text{c}\,a_{11} & \text{c}\,a_{12} \\ \text{c}\,a_{21} & \text{c}\,a_{22} \end{bmatrix}$$
計算例
\(c = 3\)、\(A = \begin{bmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{bmatrix}\) としてみましょう。各成分に3を掛けると $$cA = \begin{bmatrix} 3 & 6 \\ 9 & 12 \end{bmatrix}$$ になります。行列の構造そのものは変わらず、各成分の大きさだけが3倍になっている点に注目してください。
よくある質問
スカラー倍で行列のサイズは変わりますか? いいえ。結果は常に元の行列と同じ行数・列数になります。
スカラーが0のときはどうなりますか? すべての成分が0になり、零行列(ゼロ行列)が得られます。
スカラーは負の数や分数でもいいですか? はい。負のスカラーはすべての成分の符号を反転させ、分数のスカラーは各成分を比例して小さくします。