逆行列とは?
正方行列 A の逆行列とは、A⁻¹ と書き、\(A \cdot A^{-1} = A^{-1} \cdot A = I\)(I は単位行列)を満たす行列のことです。逆行列が存在するのは、行列が正則である場合、つまり行列式が 0 でないときに限られます。この計算ツールでは、任意の 2×2 または 3×3 行列について、行列式と逆行列を求めることができます。
このツールの使い方
まず行列のサイズを 2×2 か 3×3 のどちらかから選びます。次に、ラベル付きの各セルに成分を入力してください(a11 は左上の要素、a23 は2行3列目、という具合です)。2×2 行列の場合は左上の4つのセルだけが使われます。「計算」ボタンを押すと行列式が表示され、それが 0 でなければ逆行列がすべて表示されます。
計算の仕組み(公式の解説)
逆行列は次の式で計算されます。
$$A^{-1} = \frac{1}{\det A}\,\operatorname{adj}(A)$$ここで adj(A) は余因子行列の転置である「随伴行列(余因子行列の転置)」です。各余因子は、元の行列から得られる符号付きの小行列式(マイナー)です。随伴行列を行列式で割ることでスケールが調整され、A との積がちょうど単位行列になります。もし det(A) = 0 の場合、この割り算は定義できず、逆行列は存在しません。このような行列を「特異行列(非正則行列)」と呼びます。
2×2 行列の場合は、次のように表せます。
$$A^{-1} = \frac{1}{\det A} \begin{bmatrix} a_{22} & -a_{12} \\ -a_{21} & a_{11} \end{bmatrix} \quad \text{where} \quad \det A = a_{11}\,a_{22} - a_{12}\,a_{21}$$3×3 行列の行列式は次のように計算します。
$$\det A = a_{11}\!\left(a_{22}\,a_{33} - a_{23}\,a_{32}\right) - a_{12}\!\left(a_{21}\,a_{33} - a_{23}\,a_{31}\right) + a_{13}\!\left(a_{21}\,a_{32} - a_{22}\,a_{31}\right)$$
具体例で確認
2×2 行列 \(\begin{bmatrix} 4 & 7 \\ 2 & 6 \end{bmatrix}\) を例にとります。行列式は
$$\det A = 4 \cdot 6 - 7 \cdot 2 = 24 - 14 = 10$$です。逆行列は
$$A^{-1} = \frac{1}{10} \begin{bmatrix} 6 & -7 \\ -2 & 4 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0.6 & -0.7 \\ -0.2 & 0.4 \end{bmatrix}$$となります。実際にもとの行列とかけ合わせてみると、結果が単位行列になることで確認できます。
よくある質問(FAQ)
なぜ逆行列が求められないのですか? 行列式が 0 だからです。特異行列は空間をより低い次元へ写してしまうため、その操作を元に戻すことができません。
行や成分の順序は重要ですか? はい。a11、a12、a21、a22 はそれぞれ決まった位置を占めるので、もとの行列に現れるとおりに正確に値を入力してください。
もっと大きな行列にも対応していますか? このツールは 2×2 と 3×3 に対応しています。それより大きな行列は、通常ガウスの消去法や NumPy などのソフトウェアを使って解きます。