行列のスカラー乗積とは
スカラー倍(スカラー乗積)は、線形代数のなかでも最も基本的な演算のひとつです。行列Aと1つの実数λ(スカラー)が与えられたとき、スカラー積 \(\lambda A\) は、Aのすべての成分にλを掛けることで得られます。結果は、Aと行数・列数がまったく同じ新しい行列Cになります。行列どうしの積とは異なり、次元を合わせる必要はなく、どのような形の長方形行列に対しても計算できるのが特徴です。
この計算機の使い方
まず行列の行数(i)と列数(j)を指定します。次に、入力欄に行列Aの成分を入力します。1行を1行ぶんとして改行で区切り、同じ行のなかの数値はカンマまたはスペースで区切ってください。続いてスカラーλを入力します。λは負の数でも、小数でも、1.5e-3 のような指数表記でも構いません。表示する有効桁数を選んでから実行すると、元の次元を保ったまま結果行列 \(\lambda A\) が表示されます。
計算式の説明
計算は成分ごとに行われます。すべての行iと列jについて $$(\lambda \cdot A)_{ij} = \lambda \cdot a_{ij}, \quad i = 1 \ldots \text{Rows}, \; j = 1 \ldots \text{Cols}$$ が成り立ちます。各成分が独立して定数倍されるため、スカラーについて交換法則(\(\lambda A = A\lambda\))が成り立ち、分配法則(\(\lambda(A + B) = \lambda A + \lambda B\))も成り立ちます。λ = 0 のときは零行列になり、λ = 1 のときはAがそのまま、λ = -1 のときはAの符号を反転した行列が得られます。
計算例
\(A = [[1, 2], [3, 4]]\)、λ = -5 とします。すると $$c_{11} = -5 \times 1 = -5, \quad c_{12} = -5 \times 2 = -10, \quad c_{21} = -5 \times 3 = -15, \quad c_{22} = -5 \times 4 = -20$$ となり、結果は \(C = [[-5, -10], [-15, -20]]\) です。もうひとつの例として、\(A = [[2, -1, 0], [4, 3, 5]]\) を λ = 0.5 でスカラー倍すると、\([[1, -0.5, 0], [2, 1.5, 2.5]]\) になります。
よくある質問
行列は正方行列でなければいけませんか? いいえ。行ベクトルや列ベクトルを含め、どのような長方形の行列でも計算できます。結果は元と同じ形のままです。
空欄のセルがあるとどうなりますか? 入力されていない成分は0として扱われます。そのため、成分が足りない行は、指定した列数になるまで0で補われます。
スカラーに分数や負の数を使えますか? はい。負の数・小数・指数表記のいずれにも対応しており、λ = 0 を指定すると零行列が得られます。