この計算ツールでできること
このツールは、第一種変形球ベッセル関数 iv(x) と第二種 kv(x)、ならびにそれらの一階導関数 i'v(x)、k'v(x) を、非負整数の次数 v と正の実数 x について評価します。これらは数学の特殊関数であり、地域や単位系に依存せず、世界中どこでも同一に成り立ちます。
背景と公式
これらの関数は、変形球ベッセルの微分方程式 \(x^{2}w'' + 2xw' - (x^{2} + v(v+1))w = 0\) の解です。次数を半整数だけずらすことで、円筒型の変形ベッセル関数と次のように結び付きます。\(i_v(x) = \sqrt{\pi/2x}\cdot I_{v+1/2}(x)\)、\(k_v(x) = \sqrt{2/\pi x}\cdot K_{v+1/2}(x)\)。整数 v に対して +1/2 のずれによって次数が半整数になるため、これらの関数は sinh、cosh、exp を用いた初等的な式に帰着します。漸化計算の初期値として $$i_0 = \frac{\sinh x}{x}, \quad i_1 = \frac{\cosh x}{x} - \frac{\sinh x}{x^{2}}, \quad k_0 = \frac{\pi}{2x}\,e^{-x}, \quad k_1 = \frac{\pi}{2x}\,e^{-x}\left(1 + \frac{1}{x}\right)$$ を与え、目的の次数まで順に持ち上げます。導関数には \(f'_v = -f_{v+1} + (v/x)f_v\) を用います。
使い方
整数の次数 v(0、1、2、…)と、x > 0 を満たす引数 x を入力すると、4 つの結果が表示されます。ここでの定義は \(k_v(x)=\sqrt{2/\pi x}\,K_{v+1/2}(x)\) を採用しており、\(k_0\) に見られる \(\pi/2\) の係数はこの定義によるものです。文献によってはこの係数を省く場合があります。
計算例(v = 0、x = 2)
\(i_0(2)=\sinh(2)/2=3.6268604/2=1.8134302\)。\(i_1(2)=\cosh(2)/2-\sinh(2)/4=1.8810978-0.9067151=0.9743827\) より、\(i'_0(2)=-i_1(2)=-0.9743827\)。\(k_0(2)=(\pi/4)e^{-2}=0.1062930\)、\(k_1(2)=k_0\cdot 1.5=0.1594394\) より、\(k'_0(2)=-k_1(2)=-0.1594394\)。
よくある質問
整数でない次数 v は使えますか? この実数値の実装では、関数が初等関数に帰着する非負整数の次数に対応しています。非整数次数の場合は、I/K ベッセル関数を一般の形で評価する必要があります。
なぜ x は正でなければならないのですか? \(k_v(x)\) は \(x\to 0\) で発散し、x<0 では結果が複素数になるため、実数版では x > 0 が必要です。
iv と kv の違いは何ですか? \(i_v\) は指数的に増大し、原点で正則です。一方 \(k_v\) は指数的に減衰し、原点で特異です。