二次回帰とは
二次回帰とは、対になった観測値 (x, y) に対して \(y = A + B\cdot x + C\cdot x^{2}\) の形をした二次多項式をあてはめる手法です。直線とは違い、放物線は「上がってから下がる」「だんだん加速する」といった曲がりを表現できます。そのため物理(放物運動)、経済(費用曲線)など、2つの変数の関係が直線的でない場面で広く使われています。これは純粋な数学・統計の手法であり、地域ごとのルールや単位に左右されず、どこでも同じように計算できます。
使い方
入力欄にデータ点を1行に1組ずつ入力します。x と y はスペースまたはカンマで区切ってください(例:3, 5)。3つの係数 A・B・C を求めるには最低3点のデータが必要で、点数が多いほど信頼性の高いあてはめになります。表示する有効桁数を選ぶと、係数 A・B・C、組み立てられた回帰式、そして相関係数 \(r\) が表示されます。
計算式の解説
係数は最小二乗法によって求められます。n 個の点について、平均 \(\bar{x}\)、\(\bar{y}\)、および x の二乗の平均 \(\overline{x^2}\) を計算します。次に、原モーメントの公式(例:\(S_{xx} = \Sigma x^{2} - n\cdot\bar{x}^{2}\))を使って、中心化した和 \(S_{xx}\)、\(S_{xy}\)、\(S_{xx^2}\)、\(S_{x^2x^2}\)、\(S_{x^2y}\) を求めます。分母を \(\text{denom} = S_{xx}\cdot S_{x^2x^2} - S_{xx^2}^{2}\) とすると、各係数は
$$\begin{aligned} B &= \frac{S_{xy}\,S_{x^2x^2} - S_{x^2y}\,S_{xx^2}}{\text{denom}} \\ C &= \frac{S_{x^2y}\,S_{xx} - S_{xy}\,S_{xx^2}}{\text{denom}} \\ A &= \bar{y} - B\,\bar{x} - C\,\overline{x^2} \end{aligned}$$となります。相関係数 \(r\) は、1 から「残差平方和を全平方和で割った値」を引いたものの平方根です。
計算例
点 (1,1)、(2,2)、(3,5)、(4,10)、(5,17) の場合:\(n = 5\)、\(\bar{x} = 3\)、\(\bar{y} = 7\)、\(\overline{x^2} = 11\) です。これより \(S_{xx} = 10\)、\(S_{xy} = 40\)、\(S_{xx^2} = 60\)、\(S_{x^2x^2} = 374\)、\(S_{x^2y} = 254\)、\(\text{denom} = 140\) となります。したがって \(B = -2\)、\(C = 1\)、\(A = 2\)。あてはめ結果は \(y = 2 - 2x + x^{2}\) で、すべての点をぴったり通るため \(r = 1\) になります。
よくある質問
何点のデータが必要ですか? 異なる x の値が最低3つ必要です。それより少ない場合や、すべての x が同じ値の場合は、連立方程式が退化してしまい解けません。
r は何を表しますか? 目安として、\(0.7 < |r| \le 1\) なら強い相関、\(0.4 < |r| < 0.7\) なら中程度、\(0.2 < |r| < 0.4\) なら弱い相関、0.2 未満ならほとんど相関なしと判断します。\(r = 1\) は放物線がすべての点を通ることを意味します。
なぜ r が負にならないのですか? この計算では決定係数の非負の平方根を返すため、曲線の向きに関係なく \(r\) は 0 から 1 の範囲になります。