1標本比率のZ検定とは?
1標本比率のZ検定(1標本の比率検定とも呼ばれます)は、母比率があらかじめ分かっている値や仮定した値と異なるかどうかを調べる手法です。「はい/いいえ」「合格/不合格」「成功/失敗」といった二者択一のデータに広く使われます。たとえば、コインに偏りがないか、コンバージョン率が基準値を上回っているか、不良率が目標を満たしているか、といった検証に役立ちます。
この計算ツールの使い方
成功数(x)、標本サイズの合計(n)、そして仮定する比率(p₀、0〜1の値)を入力します。次に対立仮説を選びます。両側検定(真の比率が単に p₀ と異なる)、左側検定(p₀ より小さい)、右側検定(p₀ より大きい)の3種類です。計算ツールは標本比率、標準誤差、z統計量、そして対応するp値を返します。
計算式の解説
検定統計量は
$$z = \dfrac{\hat{p} - \text{p}_0}{\sqrt{\dfrac{\text{p}_0\left(1 - \text{p}_0\right)}{\text{n}}}} \qquad \hat{p} = \dfrac{\text{x}}{\text{n}}$$で求めます。ここで \(\hat{p} = \text{x}/\text{n}\) は標本比率です。分母は帰無仮説のもとで計算した比率の標準誤差で、そのため \(\hat{p}\) ではなく \(\text{p}_0\) を用います。得られた \(z\) を標準正規分布と照らし合わせてp値を算出します。正規近似が信頼できるのは、\(\text{n}\cdot\text{p}_0\) と \(\text{n}\cdot(1 - \text{p}_0)\) がともにおよそ5〜10以上ある場合です。
計算例
たとえば100人の有権者のうち55人がある政策案に賛成しており、\(\text{p}_0 = 0.5\) として両側検定を行うとします。このとき \(\hat{p} = 0.55\)、
$$\text{標準誤差} = \sqrt{\dfrac{0.5\cdot0.5}{100}} = 0.05$$$$z = \dfrac{0.55 - 0.5}{0.05} = 1.0$$となります。両側のp値はおよそ0.317なので、有意水準 \(\alpha = 0.05\) では帰無仮説を棄却しないという結論になります。
よくある質問
適切な標本サイズはどのくらい? 正規近似が成り立つよう、\(\text{n}\cdot\text{p}_0 \geq 5\) かつ \(\text{n}\cdot(1 - \text{p}_0) \geq 5\) を満たすようにしてください。満たせない場合は正確な二項検定を使いましょう。
片側検定と両側検定、どちらを使う? データ収集前に方向性のある仮説を立てている場合を除き、基本的には両側検定を使います。
p値はどう解釈する? p値が設定した有意水準(一般的には0.05)を下回れば、真の比率が \(\text{p}_0\) に等しいという帰無仮説を棄却します。