1標本t検定とは?
1標本t検定は、1つの標本の平均が、既知または仮説として設定した母平均(\(\mu_0\))と統計的に有意に異なるかどうかを調べる手法です。母集団の標準偏差が不明で、標本から推定する場合に用います。この計算ツールでは、t統計量・標準誤差・自由度を算出するので、そのまま検定を進められます。
この計算ツールの使い方
入力するのは4つの値です。標本平均(\(\bar{x}\))、検定の基準となる仮説母平均(\(\mu_0\))、標本標準偏差(\(s\))、標本サイズ(\(n\))を入力すると、t統計量が瞬時に表示されます。算出されたt値の絶対値を、選んだ有意水準と自由度に対応する臨界t値(t分布表)と比較するか、p値に変換することで、帰無仮説を棄却するかどうかを判断できます。
計算式の解説
統計量は次の式で求めます。
$$t = \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}}$$
分子(\(\bar{x} - \mu_0\))は、標本平均と仮説値との観測された差を表します。分母 \(s/\sqrt{n}\) は平均の標準誤差で、標本平均が通常どれくらいばらつくかを示します。この差を標準誤差で割ることで、差を「標準誤差いくつ分」という単位で表現できます。自由度は \(df = n - 1\) です。
計算例
\(\bar{x} = 52\)、\(\mu_0 = 50\)、\(s = 4\)、\(n = 25\) の場合を考えます。標準誤差は $$\frac{4}{\sqrt{25}} = \frac{4}{5} = 0.8$$ したがって $$t = \frac{52 - 50}{0.8} = \frac{2}{0.8} = 2.5$$ 自由度 \(df = 24\) となります。両側検定 \(\alpha = 0.05\) における臨界値はおよそ \(2.064\) なので、\(2.5\) はこれを上回り、結果は統計的に有意と判断できます。
よくある質問
z検定ではなくt検定を使うのはどんなとき? 母集団の標準偏差が不明で標本から推定する場合、とくに標本サイズが小さい場合はt検定を使います。
t値がマイナスになるのはなぜ? 標本平均が \(\mu_0\) を下回っていることを示しているだけです。符号は方向を、絶対値の大きさは差の強さを表します。
p値はどうやって求める? t統計量と自由度を、t分布表または統計ソフトに当てはめ、片側または両側の裾の面積を求めます。