母比率のZ検定とは?
母比率のZ検定(1標本Z検定)とは、標本から得られた比率(p̂)が、既知または仮定した母比率(p₀)と統計的に有意に異なるかどうかを調べる手法です。アンケート調査、品質管理、A/Bテスト、医学研究など、「はい/いいえ」といった二値の結果を測定し、観測された割合が主張されている割合と一致しているかを確かめたい場面で広く使われています。
この計算ツールの使い方
成功数(x)、標本サイズの合計(n)、そして0から1までの仮説比率(p₀)を入力してください。次に、対立仮説を「両側検定」「左片側検定」「右片側検定」から選びます。本ツールは、標本比率・標準誤差・Z検定統計量、そして対応するP値を算出します。算出されたP値を、あらかじめ設定した有意水準(一般的には0.05)と比較しましょう。P値が有意水準より小さければ、帰無仮説を棄却します。
計算式の解説
標準誤差は、帰無仮説のもとで \(\sqrt{\dfrac{p_0(1-p_0)}{n}}\) として計算されます。Z統計量は、標本比率とp₀との差を標準誤差で割った値、すなわち何標準誤差分だけ離れているかを表します:
$$z = \frac{\hat{p} - p_0}{\sqrt{\dfrac{p_0(1-p_0)}{n}}}$$P値は標準正規分布から求められます。この検定は標本分布が近似的に正規分布に従うことを前提としており、これは \(n \cdot p_0 \geq 10\) かつ \(n \cdot (1-p_0) \geq 10\) のときに成り立ちます。
計算例
例えば、100人のうち45人が新商品を好むと回答し、これを \(p_0 = 0.5\) に対して検定したいとします。このとき \(\hat{p} = 0.45\)、
$$SE = \sqrt{\frac{0.5 \cdot 0.5}{100}} = 0.05$$$$z = \frac{0.45 - 0.5}{0.05} = -1.0$$両側検定のP値は約0.317となるため、50%との間に有意な差は認められません。
よくある質問(FAQ)
t検定ではなくZ検定を使うべきなのはどんなとき? 標本サイズが十分に大きい比率の検定では、Z検定が標準的に用いられます。一方、t検定は分散が未知の場合の平均の検定に使われます。
どのくらいの標本サイズがあれば「十分」と言える? 一般的な目安として、期待される成功数と失敗数がそれぞれ10以上であること(\(n \cdot p_0 \geq 10\) かつ \(n \cdot (1-p_0) \geq 10\))が求められます。
P値が小さいと何を意味するの? P値が小さいということは、もし真の比率がp₀と等しいと仮定した場合、観測された比率が得られる可能性は低いことを示します。つまり、帰無仮説を棄却する根拠になります。