この計算ツールでできること
このツールは、\(\Phi(z)\) または \(P(Z < z)\) と表記される標準正規分布の累積分布関数(CDF)を計算します。正規分布に従う確率変数が、指定したzスコアを下回る確率を求められます。あわせて、上側確率 \(P(Z > z)\) と対応するパーセンタイルも表示します。統計学全般で使える汎用ツールで、特定の国や地域に依存する前提は一切ありません。
使い方
最初の入力欄にzスコアを入力してください。もし手元にあるのが標準化前の実測値(生のデータ)であれば、その値をzの欄に入力し、分布の平均(μ)と標準偏差(σ)も入力します。すると、ツールが $$z = \frac{x - \mu}{\sigma}$$ の式を使って自動的に標準化します。入力値がすでに標準化済みのzスコアである場合は、\(\mu = 0\)、\(\sigma = 1\) のままにしておけば、そのまま計算されます。
計算式の解説
標準正規分布のCDFは、誤差関数(error function)を用いて $$\Phi(z) = \tfrac{1}{2}\left[1 + \operatorname{erf}\!\left(\frac{z}{\sqrt{2}}\right)\right]$$ と定義されます。erf は初等関数による閉じた形では表せないため、このツールでは Abramowitz & Stegun の 7.1.26 有理関数近似を用いて計算しています。この近似の誤差は約 \(1.5 \times 10^{-7}\) にとどまり、確率・統計の実務で求められる精度を十分に満たします。
計算例
統計学で特に有名な値である \(z = 1.96\) を例にとると、$$\Phi(1.96) = \tfrac{1}{2}\left[1 + \operatorname{erf}\!\left(\frac{1.96}{\sqrt{2}}\right)\right] \approx 0.9750$$ となります。これは、標準正規分布のうち約 97.5% が 1.96 より下側にあり、上側には 2.5% が残ることを意味します。±1.96 が中央の 95% を区切るため、信頼区間でよく使われるのはこのためです。
よくある質問
z = 0 のときの値は? 正規分布は平均を中心に左右対称なので、\(\Phi(0) = 0.5\) とちょうど半分になります。
両側確率はどうやって求めますか? 対称な境界 ±z の場合、外側(両側)の面積は \(2 \times (1 - \Phi(z))\)、中央の面積は \(2\Phi(z) - 1\) で求められます。
負のzスコアも使えますか? はい、使えます。対称性により \(\Phi(-z) = 1 - \Phi(z)\) が成り立ち、このツールは負の入力値もそのまま正しく処理します。