「安全な取り崩し率」とは?
安全な取り崩し率とは、老後資金を使い切ってしまうリスクを抑えながら、毎年ポートフォリオから引き出せる金額の割合(%)を指します。もっとも有名な目安が「4%ルール」です。これは米国のトリニティ・スタディ(Trinity Study)から導き出された考え方で、初年度に資産の4%を取り崩し、その後はインフレ率に合わせて金額を調整していけば、過去のほとんどの相場環境において少なくとも30年間は資産が持続した、という研究結果に基づいています。なお、この4%ルールは米国の株式・債券市場のデータをもとにしているため、日本の投資家がそのまま当てはめる場合は、為替や日本の物価動向、税制(NISAやiDeCoなど)の違いも踏まえて判断するとよいでしょう。
この計算ツールの使い方
保有するポートフォリオの総額と、試したい取り崩し率を入力するだけです。初期値は4%ですが、より長期のリタイア生活を想定するなら3%や3.5%といった保守的な率に設定したり、年金など他の収入源がある場合はやや高めの率を試したりすることもできます。入力すると、安全な年間取り崩し額と、それに相当する月額がすぐに表示されます。
計算式の解説
計算自体はとてもシンプルです。
$$\text{年間取り崩し額} = \text{ポートフォリオ総額} \times \frac{\text{取り崩し率}}{100}$$月額は、この年間額を12で割るだけで求められます。
$$\text{月額} = \frac{\text{年間額}}{12}$$式そのものは単純ですが、どの率を選ぶかには、市場のリターン、インフレ率、そして資産を何年持たせる必要があるかといった重要な前提が反映されています。
具体例で見てみよう
たとえば、1,000,000ドルのポートフォリオでリタイアし、4%ルールを適用するとします。安全な年間取り崩し額は
$$1{,}000{,}000 \text{ドル} \times 0.04 = 40{,}000 \text{ドル}$$月額にすると約 3,333.33ドル です。より慎重に3.5%の率を選んだ場合は、年間35,000ドルの取り崩しとなります。
よくある質問(FAQ)
4%ルールは今でも安全ですか? 有用な目安ではありますが、債券利回りの低下やリタイア期間の長期化を受けて、より安全を見込んで3%〜3.5%を推奨する専門家も増えています。
インフレは考慮されていますか? いいえ。本来の4%ルールでは、毎年インフレ率に合わせて取り崩し金額を増やしていきます。この計算ツールは、現在のポートフォリオに基づいた初年度の取り崩し額を表示するものです。
40年以上にわたるリタイア生活では、どの率を選ぶべき? 早期リタイア(FIRE)をする方の場合、資産が長く持続する確率を高めるために、3%〜3.25%を推奨するファイナンシャルプランナーが多くいます。