ワイブル分布とは
ワイブル分布は、連続確率分布のなかでも特に柔軟性が高く、信頼性工学・寿命データ解析・生存時間解析の基礎となる分布です。形状パラメータ m(k や β とも表記)と尺度パラメータ eta(λ や a、すなわち特性寿命とも呼ばれる)という2つのパラメータを調整することで、時間とともに減少・一定・増加するさまざまな故障率を表現できます。本計算機は位置パラメータを0に固定した標準的な2パラメータ(尺度形)モデルを採用しているため、定義域は \(x \geq 0\) です。
この計算機の使い方
分布を評価したい値 x(\(x \geq 0\))、形状パラメータ m(\(> 0\))、尺度パラメータ eta(\(> 0\))を入力してください。計算結果として、確率密度 \(f(x)\)、下側累積確率 \(P(X \leq x)\)(累積分布関数 CDF)、上側累積確率 \(P(X > x)\)(信頼度関数・生存関数)の3つが得られます。なお \(F(x) + R(x)\) は常に 1 になります。
計算式の解説
\(z = x / \eta\) とおきます。確率密度は $$f(x) = \frac{m}{\eta} \cdot z^{m-1} \cdot e^{-z^{m}}$$ で与えられます。累積分布関数は $$F(x) = 1 - e^{-z^{m}}$$ 信頼度関数(生存関数)は $$R(x) = e^{-z^{m}}$$ です。形状パラメータはハザード(故障率)の挙動を支配し、\(m = 1\) のとき指数分布(故障率が一定、平均は \(\eta\))に帰着し、\(m = 2\) ではレイリー分布となり、\(m\) が 3.6 付近のときは釣鐘型の正規分布に近い形状になります。
計算例
\(x = 1.5\)、\(m = 2\)、\(\eta = 1\) の場合を考えます。このとき \(z = 1.5\)、\(z^m = 2.25\) なので、\(e^{-2.25} = 0.105399\) となります。上側累積確率は $$R = 0.105399$$ 下側累積確率は $$F = 1 - 0.105399 = 0.894601$$ です。確率密度は $$f = \frac{2}{1} \cdot 1.5^{1} \cdot 0.105399 = 0.316198$$ となります。
よくある質問
なぜ形状パラメータに関係なく \(F(\eta)\) は約 0.632 になるのですか? \(x = \eta\) のとき \(z = 1\) となり \(z^m = 1\) なので、\(F = 1 - e^{-1} = 0.6321\) となり、\(m\) に依存しません。これが \(\eta\) を「特性寿命」と呼ぶ理由です。
\(x < 0\) のときはどうなりますか? 2パラメータのワイブル分布は定義域が \([0, \infty)\) なので、この範囲では \(f(x) = 0\)、\(F(x) = 0\)、\(R(x) = 1\) となります。
尺度パラメータに単位は必要ですか? 入力値は純粋な数値です。\(x\) と \(\eta\) は同じ単位(例:時間)で揃える必要がありますが、計算そのものは無次元です。