複素数の偏角とは?
すべての複素数 \(z = a + bi\) は、複素平面上の点 \((a, b)\) として表すことができます。その偏角(argument)とは、原点からその点へ引いた線が、正の実軸となす角度のことで、反時計回りに測ります。偏角と絶対値 \(|z|\) を組み合わせると、複素数の極形式が得られます:$$z = |z|(\cos\theta + i\cdot\sin\theta)$$なお「偏角」は英語では argument、位相(phase)や偏角(amplitude)とも呼ばれます。
このツールの使い方
複素数 \(a + bi\) の実部 a と虚部 b を入力してください。偏角がラジアンと度数の両方で表示され、あわせて絶対値も求められます。負の値も入力でき、結果は自動的に正しい象限に配置されます。
計算式の解説
単純に \(\theta = \arctan(b/a)\) を使う方法では、\(a = 0\) のときに計算できず、象限を区別することもできません。そこで本ツールでは、2つの引数をとる関数 \(\operatorname{atan2}(b, a)\) を用います。これは \(a\) と \(b\) の符号の両方を調べて、\((-\pi, \pi]\) の範囲で正しい角度を返します。$$\arg z = \operatorname{atan2}\left(\text{Imaginary }b,\ \text{Real }a\right)$$絶対値はユークリッド距離 \(|z| = \sqrt{a^2 + b^2}\) で求めます。
計算例
\(z = 1 + i\) の場合、\(a = 1\)、\(b = 1\) です。すると $$\arg(z) = \operatorname{atan2}(1, 1) = \frac{\pi}{4} \approx 0.7854 \text{ ラジアン} = 45°$$ となり、\(|z| = \sqrt{2} \approx 1.4142\) です。つまり \(1 + i\) は第1象限の直線 \(y = x\) 上に位置し、予想どおりの結果になります。
よくある質問
偏角の値の範囲は? 慣例として主値(principal value)は \((-\pi, \pi]\)、つまり -180° から 180° までの範囲をとります。
arg(0) はどうなる? ゼロの偏角は定義されません。本ツールでは \(\operatorname{atan2}(0, 0)\) は 0 を返しますが、\(|z| = 0\) のときその角度には実際には意味がありません。
なぜ度数とラジアンの両方を使うの? ラジアンは微積分やオイラーの公式で標準的に使われ、度数は角度を直感的にイメージしやすいという利点があります。便宜上、両方を表示しています。