クラメルの公式とは?
クラメルの公式は、行列式を使って連立一次方程式を解く古典的な代数の手法です。連立方程式を \(A\cdot x = b\) の形で表したとき、\(A\) は係数を並べた正方行列、\(b\) は定数項のベクトルになります。各未知数は、\(A\) の一部の列を入れ替えた行列の行列式を、\(A\) の行列式で割ることで求められます。この方法は \(\det(A)\) が 0 でないときに必ず使え、解がただ一つに定まることが保証されます。
この計算ツールの使い方
まず、解きたい連立方程式が 2×2(方程式2本、未知数 x・y)か、3×3(方程式3本、未知数 x・y・z)かを選びます。次に、行列 \(A\) の係数を1行ずつグリッドに入力し、右辺の定数項を \(b\) の列に入力します。「計算する」を押すと、各未知数の値に加えて、\(\det(A)\) と、列を入れ替えた行列式 \(\det(A_x)\)・\(\det(A_y)\)・\(\det(A_z)\) が表示されます。\(\det(A)\) が 0 の場合は、解がただ一つに定まらないことをツールが知らせます。
公式の仕組み
x を求めるには、\(A\) の1列目をベクトル \(b\) に置き換えて \(A_x\) を作り、\(x = \det(A_x) / \det(A)\) を計算します。y を求めるときは2列目を置き換えて \(A_y\) を、z を求めるときは3列目を置き換えます。分母となる \(\det(A)\) はどの未知数でも共通なので、一度だけ計算すれば済みます。
$$x = \dfrac{D_x}{D},\quad y = \dfrac{D_y}{D} \qquad \text{where}\quad \left\{ \begin{aligned} D &= \begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix} \\[0.4em] D_x &= \begin{vmatrix} b_{1} & a_{12} \\ b_{2} & a_{22} \end{vmatrix} \\[0.4em] D_y &= \begin{vmatrix} a_{11} & b_{1} \\ a_{21} & b_{2} \end{vmatrix} \end{aligned} \right.$$
計算例
2x + y = 5、x + 3y = 10 を解いてみましょう。まず \(\det(A) = 2\cdot 3 - 1\cdot 1 = 5\) です。1列目を b に置き換えると \(\det(A_x) = 5\cdot 3 - 1\cdot 10 = 5\) となり、\(x = 5/5 = 1\)。2列目を置き換えると \(\det(A_y) = 2\cdot 10 - 5\cdot 1 = 15\) となり、\(y = 15/5 = 3\)。よって解は x = 1、y = 3 です。
よくある質問
\(\det(A) = 0\) のときはどうなりますか? その場合、解が存在しないか、無数に存在します。クラメルの公式ではただ一つの答えを求められないため、代わりにガウスの消去法を使ってください。
もっと大きな連立方程式にも使えますか? 数学的には可能ですが、4×4 以上になるとクラメルの公式は計算量が一気に増えてしまいます。このツールは、授業でよく扱われる代表的な2つのケースに対応しています。
係数に負の数や小数を入れても大丈夫ですか? はい。負の数や小数を含め、どの欄にも任意の実数を入力できます。