慣性モーメントとは?
慣性モーメントとは、ある軸まわりの回転加速に対する物体の「回りにくさ」を表す量で、回転運動における質量のような役割を果たします。固体の運動を扱う動力学では質量慣性モーメント(単位は kg·m²)が使われ、構造工学では断面二次モーメント(面積慣性モーメント、単位は m⁴)が、断面の曲げに対する強さを表します。この計算ツールでは、最もよく使われる4つのケース、すなわち中実円板(円柱)、中実球、細い棒、長方形断面を扱います。
使い方
まず形状を選び、その形状に必要な値だけを入力してください。円板と球には質量と半径、棒には質量と長さ、長方形には幅(底辺)と高さが必要です。計算ツールが対応する標準公式を自動で適用し、適切な単位で結果を表示します。
使用する公式
中心軸まわりの中実円板・円柱:$$I = \tfrac{1}{2}\,m\,r^{2}$$。直径まわりの中実球:$$I = \tfrac{2}{5}\,m\,r^{2}$$。中心まわりの細い棒:$$I = \tfrac{1}{12}\,m\,L^{2}$$。図心まわりの長方形断面(断面二次モーメント):$$I = \frac{b\,h^{3}}{12}$$。ここで \(b\) は幅、\(h\) は曲げ方向の高さです。
計算例
質量 10 kg、半径 0.5 m の中実円板の場合:$$I = \tfrac{1}{2} \times 10 \times 0.5^{2} = \tfrac{1}{2} \times 10 \times 0.25 = 1.25\ \text{kg}\cdot\text{m}^{2}$$。幅 0.1 m、高さ 0.2 m の長方形梁の場合:$$I = 0.1 \times 0.2^{3} \div 12 = 0.1 \times 0.008 \div 12 = 0.0000667\ \text{m}^{4}$$。
よくある質問
長方形だけ単位が違うのはなぜ? 長方形では質量を含まない断面二次モーメント(面積慣性モーメント)を計算するため、単位が kg·m² ではなく m⁴ になります。
円柱は円板と同じ公式でよい? はい。中実円柱を長手方向の中心軸まわりで考える場合、長さに関係なく円板と同じ \(I = \tfrac{1}{2}mr^{2}\) が成り立ちます。
どの軸を前提にしている? 各公式は記載どおりの軸まわりの回転を前提としています。すなわち、中心軸(円板・円柱)、直径(球)、中心(棒)、図心軸(長方形)です。