貯蓄率から見るリタイア計算機でできること
この計算機は、たった一つの数値である貯蓄率を、リタイアできるまであと何年貯蓄を続ける必要があるかという見積もりに変換します。この節目は経済的自立(FI)と呼ばれることが多いものです。早期リタイアの背後にある有名な「驚くほど単純な計算」に基づいています。手取り収入のうち貯蓄に回す割合が大きいほど、投資に回した貯蓄が支出を永久に賄えるようになるのが早くなります。実際の収入額は答えを変えず、手元に残す割合だけが重要です。
使い方
貯蓄率として、各期間に手取り収入のうち貯蓄する割合を入力します。任意で、投資の期待される実質(インフレ調整後)年間リターンを調整できます。株式中心のポートフォリオでは5%が長期的な一般的前提です。また安全な取り崩し率も調整でき、4%は有名な4%ルール(年間支出の25倍の資産)に対応します。計算機は、ゼロから始めて同じ貯蓄率を維持し続けると仮定して、必要な貯蓄年数を返します。
計算式の説明
s を小数で表した貯蓄率、r を実質年間リターン、w を安全な取り崩し率とします。同じ収入のうち割合 s を貯蓄し、割合 1 引く s を支出するため、収入は式から相殺されます。投資した貯蓄は毎年成長し、n 年後の残高(ゼロから始めた場合)は次のとおりです。
$$ \text{Portfolio}(n) = A \times \frac{ (1 + r)^n - 1 }{ r } $$ここで A は毎年貯蓄する金額です。この残高が目標資産に達すると、リタイアが可能になります。取り崩し率 w のもとでの目標は次のとおりです。
$$ \text{Target} = \frac{ 1 }{ w } \times \text{annual spending} $$ポートフォリオを目標と等しく置き、年数について解くと、主要な計算式が得られます。
$$ n = \frac{ \ln\left( 1 + \dfrac{ r\,(1 - s) }{ w\,s } \right) }{ \ln(1 + r) } $$w が 0.04 のとき、目標は年間支出の25倍となり、4%ルールと一致します。
計算例
手取り収入の半分を貯蓄する、つまり s = 0.50 とし、5%の実質リターン(r = 0.05)と4%ルール(w = 0.04)を仮定するとします。括弧の中は 1 + (0.05 × 0.50) ÷ (0.04 × 0.50) = 1 + 0.025 ÷ 0.02 = 2.25 となります。すると n = ln(2.25) ÷ ln(1.05) = 0.8109 ÷ 0.04879 で、約16.6年です。貯蓄率50%なら、年収が40,000でも400,000でも、経済的自立はおよそ17年先ということになります。
よくある質問
これは貯蓄ゼロから始めることを前提としていますか? はい。標準的な計算式は残高ゼロから始めて一定の貯蓄率を維持することを前提としているため、個別の予測というよりは分かりやすい目安です。すでに投資資産がある場合、実際の期間は表示された数値より短くなります。
どのリターンと取り崩し率を使うべきですか? 5%の実質(インフレ調整後)リターンと4%の取り崩し率は、早期リタイアのコミュニティやトリニティ・スタディでよく使われる既定値です。より慎重な計画者は、より低いリターンや3.5%の取り崩し率を用い、期間は長くなります。
なぜ収入は関係ないのですか? 貯蓄する金額も必要な資産額も収入に比例して増えるため、収入は相殺されます。何年かかるかを決めるのは、稼ぎと支出の差である貯蓄率だけです。