カテナリー曲線とは?
カテナリー(懸垂線)とは、両端だけを固定して自由に垂らした柔軟なチェーンやケーブルが、自らの重さによって描く曲線のことです。一見すると放物線によく似ていますが、本当の形は双曲線余弦関数で表され、\(y = a \cdot \cosh\!\left(\frac{x}{a}\right)\) という式になります。定数 a は曲線の「深さ」や「平たさ」を決めるパラメータで、a が大きいほど張りつめた平らな曲線に、小さいほど深く垂れ下がった曲線になります。
この計算ツールの使い方
カテナリー定数 a と、最下点(頂点)から測った水平位置 x を入力してください。曲線の高さ y、頂点からのたわみ(y − a)、そしてその点における傾き(dy/dx)を計算します。頂点は x = 0 の位置にあり、そこでは y = a、傾きは 0 となります。
計算式の解説
高さは $$y = a \cdot \cosh\!\left(\frac{x}{a}\right)$$ で求められます(cosh は双曲線余弦)。これを 1 回微分すると傾き $$\frac{dy}{dx} = \sinh\!\left(\frac{x}{a}\right)$$ が得られます。頂点(x = 0)では \(\cosh(0) = 1\) なので \(y = a\) となり、\(\sinh(0) = 0\) なので接線は水平になります。最下点を基準としたたわみは、単純に \(y - a\) で表せます。
計算例
\(a = 10\)、\(x = 5\) の場合を考えてみましょう。このとき \(\frac{x}{a} = 0.5\) です。\(\cosh(0.5) \approx 1.12763\) なので、$$y = 10 \times 1.12763 \approx 11.2763$$ となります。たわみは \(y - a \approx 1.2763\)、傾きは \(\sinh(0.5) \approx 0.52110\) です。
よくある質問
カテナリーは放物線と同じですか? いいえ、違います。最下点付近では似ていますが、垂れ下がるチェーンは cosh に従うのに対し、放物線(\(y = kx^2\))は吊り橋の床版のように水平方向に均等に分布した荷重を表します。
定数 a は何を表していますか? a は、水平方向の張力をケーブルの単位長さあたりの重さで割った値に等しく、同時に準線(directrix)から頂点までの高さでもあります。
なぜ a を 0 にできないのですか? 計算では x を a で割る必要があるため、a = 0 は定義できません。その場合、この計算ツールは結果として 0 を返します。