幾何分布とは
幾何分布は、各試行が同じ成功確率 p をもつ独立な試行を繰り返したとき、「初めて成功するまでに何回失敗するか」をモデル化する確率分布です。本計算では「初回成功までの失敗回数」を確率変数とする流儀を採用しており、\(x\) は 0, 1, 2, … の値をとり、確率質量関数は $$f(x,p) = p(1-p)^{x}$$ となります。なお、もう一つよく使われる流儀として「初めて成功する試行の番号 k(k = 1, 2, …)」を変数とする定義がありますが、本計算では採用していません。両者の関係は \(x = k - 1\) です。
計算機の使い方
初回成功までの失敗回数 \(x\)(0 以上の整数)と、1 回あたりの成功確率 \(p\)(0 から 1 の値)を入力してください。確率質量 \(f(x,p)\)、下側累積確率 \(P(X \le x)\)、上側累積確率 \(P(X \ge x)\)、そして期待値(失敗回数の平均)が求められます。
計算式の解説
\(q = 1 - p\) とおきます。確率質量は $$f(x,p) = p \cdot q^{x}$$ です。下側累積和は打ち消し合って $$P(X \le x) = 1 - q^{x+1}$$ となります。上側の裾は $$P(X \ge x) = q^{x}$$ です。期待値は $$E[X] = \frac{1 - p}{p}$$ で表されます。便利な関係式として、\(P(X \le x) + P(X \ge x) = 1 + f(x,p)\) が成り立ちます。これは両方の裾が点 \(x\) を二重に数えているためです。
計算例
\(x = 2\)、\(p = 0.4\)(よって \(q = 0.6\))の場合を見てみましょう。$$f(2, 0.4) = 0.4 \cdot 0.6^{2} = 0.4 \cdot 0.36 = 0.144$$ 下側累積確率 $$P(X \le 2) = 1 - 0.6^{3} = 1 - 0.216 = 0.784$$ 上側累積確率 $$P(X \ge 2) = 0.6^{2} = 0.36$$ 期待値 $$\frac{0.6}{0.4} = 1.5$$ 検算:\(0.784 + 0.36 - 0.144 = 1.000\) となり、関係式が確認できます。
よくある質問
x には成功した試行も含まれますか? いいえ。ここでの \(x\) は初回成功までの「失敗回数」だけを数えるため、\(x\) は 0 から始まります。初めて成功する試行の番号 k が分かっている場合は、\(x = k - 1\) として入力してください。
p = 1 のときはどうなりますか? 1 回目の試行で必ず成功します。すなわち \(f(0,1) = 1\)、\(x \ge 1\) では \(f(x,1) = 0\) となり、期待値は 0 です。
p = 0 のとき期待値が定義されないのはなぜですか? どの試行でも成功しない場合、失敗回数の期待値は無限大になります。式 \(\frac{1 - p}{p}\) の分母が 0 になるため、計算できません。