重力による時間の遅れとは?
アインシュタインの一般相対性理論によれば、重力場が強い場所ほど時計はゆっくり進みます。質量の大きな天体がつくる重力井戸の深いところにある時計は、遠く離れた場所にある同じ時計よりも遅く時を刻むのです。この計算ツールはシュワルツシルト解を用いて、その効果を数値で示します。天体の質量、その中心からの距離、そして遠方の観測者から見た経過時間を入力すると、質量の近くで実際に体験される固有時間が求められます。
使い方
次の3つの値を入力してください。重力源となる天体の質量(キログラム)、その中心からの動径距離 \(r\)(メートル)、そして遠方での経過時間(秒)です。ツールは固有時間 \(t_0\)、無次元の時間遅れ係数、そして2つの時計の差を出力します。5.972e24 のような指数表記(科学的記数法)も使用できます。
計算式の解説
基本となる式は
$$t_0 = \text{Time far} \sqrt{1 - \frac{2G\,\text{Mass}}{\text{Radius}\,c^{2}}}$$です。ここで \(G = 6.67430\times10^{-11}\ \text{N}\cdot\text{m}^2/\text{kg}^2\)、\(c = 299{,}792{,}458\ \text{m/s}\) です。\(2GM/c^2\) はシュワルツシルト半径を表します。\(r\) がシュワルツシルト半径に近づくと、平方根の中の値はゼロに近づき、遠方の観測者から見ると時間は事実上停止します。これがブラックホールの事象の地平面(イベントホライズン)にあたります。
計算例
地球(\(M = 5.972\times10^{24}\ \text{kg}\))の表面(\(r = 6{,}371{,}000\ \text{m}\))で計算すると、\(2GM/(rc^2) \approx 1.39\times10^{-9}\) となります。時間遅れ係数はおよそ \(0.9999999993\) で、遠方での1秒あたり地表の時計は約 \(0.9999999993\) 秒を刻みます。つまり1秒ごとに約 \(7\times10^{-10}\) 秒の差が生じ、1年では数十マイクロ秒にまで積み重なります。GPS衛星が相対論的補正を行わなければならないのは、まさにこのためです。
よくある質問
重力場では時計は速く進みますか、それとも遅く進みますか? 遅く進みます。重力井戸の深いところにあるほど、遠方の時計に対してゆっくりと時を刻みます。
\(r\) がシュワルツシルト半径より小さい場合はどうなりますか? 平方根の中の値が負になります。事象の地平面の内側では通常の外部解が成り立たなくなるため、本ツールでは係数を0に固定して表示します。
これは特殊相対論ですか、それとも一般相対論ですか? これは重力による(一般相対論の)時間の遅れです。速度に起因する特殊相対論の時間の遅れとは別物です。