行列とベクトルの積とは
行列とベクトルの積は、m×n 行列 A と n 次元の列ベクトル x から、新しい m 次元の列ベクトル \(c = A\cdot x\) を求める演算です。線形代数のもっとも基本的な計算のひとつで、線形変換や連立一次方程式、コンピュータグラフィックス、機械学習など幅広い分野の土台になっています。この計算機は実数を扱い、特定の国や地域のルールに左右されない純粋な数学の計算なので、どこでも同じように使えます。
この計算機の使い方
まず行列 A の行数(i)と列数(j)を入力します。入力欄のグリッドに行列の要素を打ち込みますが、1 行を 1 行ずつ入力し、値はスペースまたはカンマで区切ってください。ベクトル x は値を 1 つずつ入力します。x の要素数は行列 A の列数と一致している必要があります。空欄は 0 として扱われます。「計算」を押すと、結果の列ベクトルが表示されます。
計算式の解説
出力の各成分 i(1 から m、つまり行数まで)は、行列の第 i 行の要素とベクトルの各成分との重み付き和として求められます。
$$c_i = a_{i1}\cdot x_1 + a_{i2}\cdot x_2 + \dots + a_{in}\cdot x_n$$
これは A の第 i 行と x との内積に他なりません。積が定義されるのは、A の列数とベクトル x の長さが一致するとき(列数 = n)だけです。このとき出力ベクトルの長さは、A の行数 m に等しくなります。
計算例
A を行が [1 2 3]、[4 5 6]、[7 8 9] の 3×3 行列とし、\(x = (1, 0, -1)\) とします。すると、$$c_1 = 1\cdot 1 + 2\cdot 0 + 3\cdot(-1) = -2$$ $$c_2 = 4\cdot 1 + 5\cdot 0 + 6\cdot(-1) = -2$$ $$c_3 = 7\cdot 1 + 8\cdot 0 + 9\cdot(-1) = -2$$ となります。結果は列ベクトル \(c = (-2, -2, -2)\) です。
よくある質問
次元が一致しない場合は? A の列数とベクトル x の長さが等しくない場合、積は定義されません。このときは数値の代わりに、入力を確認するためのメッセージが表示されます。
A は正方行列でなくてもよい? はい。たとえば 2×3 行列に 3 次元ベクトルを掛けると、2 次元ベクトルになります。出力の長さは常に A の行数と一致します。
1×n 行列のときはどうなる? 1×n 行列に n 次元ベクトルを掛けると、成分が 1 つだけの結果になります。これは実質的に 2 つのベクトルの内積で、ここでは長さ 1 のベクトルとして表示されます。