この計算ツールでできること
正規分布の計算ツールは、平均 \(\mu\) と標準偏差 \(\sigma\) を持つ正規分布について、指定した点 \(x\) での値を求めます。出力されるのは次の3つの基本量です。確率密度 \(f(x)\)、下側累積確率 \(P(X \le x)\)、そして上側累積確率 \(P(X > x)\)。国や地域の制度に依存しない、汎用的な数学・統計のツールです。初期値の \(\mu = 0\)、\(\sigma = 1\) のままにすれば、標準正規分布として計算できます。
使い方
分布を評価したい点 \(x\)、平均 \(\mu\)、標準偏差 \(\sigma\)(必ず 0 より大きい値)を入力します。ツールはまず \(z = (x - \mu) / \sigma\) で標準化し、続いて確率密度と上下の裾の累積確率を計算します。下側累積確率は曲線の \(x\) より左側の面積、上側累積確率は右側の面積で、この2つを合計すると常に 1 になります。
計算式の解説
確率密度は次の式で表されます。
$$f(x) = \frac{1}{\sigma\sqrt{2\pi}}\, e^{-\frac{\left(x - \mu\right)^2}{2\,\sigma^2}}$$下側累積確率は累積分布関数
$$\Phi(z) = \frac{1}{2}\left[1 + \operatorname{erf}\!\left(\frac{z}{\sqrt{2}}\right)\right]$$で、ここで \(\operatorname{erf}\) はガウスの誤差関数です。標準的な数学ライブラリには \(\operatorname{erf}\) が用意されていないため、本ツールでは Abramowitz & Stegun の式 7.1.26 による有理関数近似(精度は約 1e-7)を使用しています。上側累積確率は単純に \(1 - \Phi(z)\) で求められます。
計算例
IQ のような分布を例に、\(\mu = 100\)、\(\sigma = 15\) として \(x = 130\) で計算してみましょう。まず
$$z = \frac{130 - 100}{15} = 2$$です。確率密度は
$$f(130) = \frac{0.3989422804}{15} \times e^{-2} = 0.003599750$$下側累積確率は \(\Phi(2) = 0.9772498681\) なので、上側累積確率は \(0.0227501319\) となり、値が 130 を超えるのはおよそ 2.28% であることを意味します。
よくある質問
z とは何ですか? \(z\) は標準化された値で、\(x\) が平均から標準偏差いくつ分だけ上(正)または下(負)に離れているかを表します。
なぜ σ は正でなければならないのですか? 標準偏差が 0 以下だと分布が定義できず、ゼロ除算が発生してしまうため、\(\sigma\) は 0 より大きい必要があります。
f(x) と各確率を足すと 1 になりますか? 合計が 1 になるのは下側累積確率 \(P(X \le x)\) と上側累積確率 \(P(X > x)\) の2つです。確率密度 \(f(x)\) は確率そのものではなく、その合計には含まれません。\(f(x)\) は点 \(x\) における曲線の高さを表します。