全確率の公式とは?
全確率の公式を使うと、標本空間を互いに排反かつ網羅的な事象(分割)B₁、B₂、…、Bₙ に分けることで、事象Aが起こる全体の確率を求められます。各 Bᵢ の起こりやすさと、その Bᵢ のもとでAが起こる確率がわかっていれば、それらを組み合わせて条件のつかない確率 P(A) を一つにまとめることができます。
この計算ツールの使い方
各分割事象の確率 \(P(B_i)\) と、それに対応する条件付き確率 \(P(A|B_i)\) を入力してください。事象は最大3つまで使えます。2つだけで十分な場合は、残りの行を空欄(ゼロ)のままにしておけば構いません。ツールは各ペアを掛け合わせ、その積を合計して \(P(A)\) を算出します。また、入力した \(P(B_i)\) の合計が1になっているか(正しい分割であるための条件)も自動でチェックします。
公式の解説
基本となる式は $$P(A) = \sum P(A|B_i)\cdot P(B_i)$$ です。各項 \(P(A|B_i)\cdot P(B_i)\) は同時確率 \(P(A \cap B_i)\)、つまり「Aが起こり、かつシナリオ \(B_i\) の中にいる」確率を表します。\(B_i\) は互いに排反であらゆる可能性を網羅しているため、これらの同時確率をすべて足し合わせると、どのシナリオで起こったかに関係なく、Aが起こる全確率が得られます。
計算例
2つの工場が部品を供給しているとします。工場1は全体の60%を製造し、不良率は2%。工場2は40%を製造し、不良率は5%です。ランダムに選んだ部品が不良品である確率は $$P(A) = 0.02\cdot 0.60 + 0.05\cdot 0.40 = 0.012 + 0.020 = 0.032$$ すなわち3.2%となります。
よくある質問(FAQ)
\(P(B_i)\) の合計は必ず1になる必要がありますか? はい。事象は標本空間の分割を構成しなければならないため、確率の合計は1になる必要があります。合計が1でない場合、ツールが警告を表示します。
条件付き確率が1を超えることはありますか? いいえ。各 \(P(A|B_i)\) を含むすべての確率は、0以上1以下でなければなりません。
ベイズの定理とはどう関係していますか? 全確率の公式は、条件付き確率を逆向きに求めるベイズの定理で使われる分母 \(P(A)\) を与える役割を果たします。