このツールでできること
財務指標計算ツールは、企業の3つの基本財務諸表——貸借対照表、損益計算書、そして(間接的に)キャッシュフロー計算書——の生データを、アナリストが財務の健全性を判断する際に使う標準的な指標へと変換します。本ツールは5つの指標グループを1つにまとめています。負債(レバレッジと支払能力)、流動性(短期的な支払能力)、効率性(資産や運転資本をどれだけ効率的に使えているか)、収益性(売上・資産・自己資本あたりどれだけ利益を生んでいるか)、そして株式・市場関連指標(1株あたりの指標やバリュエーション指標)です。各指標の定義は特定の会計基準に依存せず、米国会計基準(GAAP)でも国際会計基準(IFRS)でも、また日本基準でも同様に適用できます。入力するすべての金額は同一通貨として扱ってください。日数ベースの指標と1株あたりの数値を除き、比率はいずれも単位を持たない値となります。
使い方
各セクションで手元にある数値を入力してください。すべての項目を埋める必要はありません。初期値は小規模なサンプル企業をモデルにしています。各計算結果は単純な割り算なので、分母が空欄またはゼロの場合はエラーではなくN/Aと表示されます。利益率・利回り・各種リターンはパーセンテージで表示され、回転日数系の指標には入力された「期間日数」(365日または360日が一般的)が使われます。
各計算式の解説
流動性:$$\text{流動比率} = \dfrac{\text{流動資産}}{\text{流動負債}}$$当座比率は棚卸資産と前払費用を除いて算出します。負債:$$\text{負債比率} = \dfrac{\text{負債合計}}{\text{資産合計}}$$インタレスト・カバレッジ・レシオ(支払利息倍率)= \(\text{EBIT} \div \text{支払利息}\)(純利益ではなく営業利益を使う点に注意)。効率性:棚卸資産回転率 = \(\text{売上原価} \div \text{平均棚卸資産}\)、DIO(在庫日数)= \(\text{日数} \div \text{棚卸資産回転率}\)。キャッシュ・コンバージョン・サイクル = \(\text{DIO} + \text{DSO} - \text{DPO}\)。収益性:$$\text{ROE} = 100 \times \dfrac{\text{純利益}}{\text{自己資本}}$$株式:$$\text{EPS} = \dfrac{\text{純利益} - \text{優先株配当}}{\text{発行済株式数}}$$$$\text{PER} = \dfrac{\text{株価}}{\text{EPS}}$$
計算例
初期値を使って計算してみましょう。流動資産60,000と流動負債30,000で、流動比率は2.0になります。$$\dfrac{60{,}000}{30{,}000} = 2.0$$負債合計50,000を資産合計120,000で割ると、負債比率は0.4167です。$$\dfrac{50{,}000}{120{,}000} = 0.4167$$純利益20,000を自己資本70,000で割ると、ROEは28.57%となります。$$100 \times \dfrac{20{,}000}{70{,}000} = 28.57\%$$純利益20,000・発行済株式数10,000株なら、EPS = 2.0。$$\dfrac{20{,}000}{10{,}000} = 2.0$$株価が50なら、PERは25.0です。$$\dfrac{50}{2.0} = 25.0$$
よくある質問
なぜ一部の結果が「N/A」になるのですか?分母がゼロまたは空欄のとき(たとえばEPSがゼロのときのPER)、その指標は定義できません。このような場合、ツールは無限大ではなくN/Aと表示します。
自己資本や純利益はマイナスでも入力できますか?はい。損失が出ると利益率やROEはマイナスになり、自己資本がマイナスになるとD/Eレシオの符号が反転します。本ツールはこれらをそのまま表示するため、実態を正確に把握できます。
360日と365日のどちらを使うべきですか?どちらも一般的に認められた慣行で、初期値は365日です。比較の一貫性を保つため、自社や業界の報告基準に合わせて選んでください。